時間をお金で購入する
2016/03/31
融資を受けるということは、利息というお金を支払って時間を購入することを意味します。
貯金だけではお金持ちになることはできない
平成に入ってすぐの頃、郵便局の定額貯金の金利は6%近くありました。平成28年3月現在、銀行の定期預金は高いところで0.2%、通常の銀行では0.02%程度です。貯金をいくらしても、その金額は預けたお金の額から、ほとんど増えないのが現状です。しかしながら、不動産を購入するには、まとまったお金が必要であり、貯金をすることは大切な行為です。
さて、月10万円の貯金をすると年間120万円貯まります。これを10年続けると1200万円です。例えば、4500万円の物件を購入するとします。購入時に諸費用が6%程度必要になりますので、必要な資金は約4800万円になります。この物件を貯金が4800万円になってから購入する場合、なんと40年貯金を続けないと買えないことになってしまいます。
融資によって時間を節約する
もし、この物件を480万円の自己資金(頭金)で残り4320万円を融資を受けて購入する場合、貯金に必要な時間はちょうど4年。融資を利用することで40年必要だった時間を36年も節約することになります。その代わり、銀行には36年分の時間に相当する利子を支払うことになるのです。
不動産に限らず、融資はほとんどの業種で利用されてきました。飲食店を開業する場合、店舗を新装するために融資を受けます。工場が設備投資をする場合も融資を受けます。そして、機を逃さずにサービスや商品を社会に提供してきたのです。まさに、時間をお金で購入しているわけで、銀行というのは時間を売る商売と考えることもできるのです。
レバレッジ
FXでもよく使われる言葉、レバレッジ(梃)というのは、少ない資金で大きな取引をすることと考えられていますが、お金にフォーカスするのではなく時間にフォーカスする方が健全です。「お金が無いので貸してほしい」ではなく、「今、やらなくてはいけないので貸してほしい」というスタンスの方が、ネガティブな印象からポジティブな印象に変わり、銀行としても貸しやすいのではないかと思われます。