団体信用生命保険にはいるべきか?
2016/04/02
団体信用生命保険(団信)は本当に必要なのでしょうか?
団信は銀行のため
スルガ銀行やオリックス銀行の不動産投資ローンには、必ず団信がついており、その保険料は金融機関が負担することになっています。万が一、債務者が亡くなった場合、団信が残債のすべてを補填し、債務者の相続人にはローンの債務が残らない仕組みになっています。
債務者が死亡すると、無借金の不動産が残るので相続人にとってはかなりお得ということになります。一見、融資を受けている側の保険と考えがちですが、実は銀行のための保険です。保険の受け取り人は融資を行った銀行になります。また、保険料は銀行が負担することになっていますが、実際は金利にしっかりオンされています。
プロパー融資の団信は任意
プロパー融資には基本的に団信はついていません。任意で加入することはできますが、金利に0.2~0.3%の上乗せが必要になります。基本的に、債務者が死亡しても家賃収入は継続的に入ってくるわけで、団信でリスクをヘッジする必要はないのです。プロパー融資では、物件の収益性や経営者の金融資産などを総合的に判断して融資の可否を決定しています。そのため、債務者が死亡しても物件の売却などで債務は保全されると銀行は考えているのです。逆に、団信が必須ということは、「物件の売却で債務をすべて返済できないかもしれない」、ということを暗に示しているのです。
結論
個人で購入した場合で、物件が残債以上で売却できるかどうか不安な場合、団信にはいるべきだと思います。しかし、プロパー融資の場合は、基本的に不要と考えています。その代わり、借りる側も自分自身の死亡のリスクと残された相続人への影響を十分考える必要があると言えます。
なお、法人で購入した場合は基本的に団信に入ることはできません(※)。
※日本政策金融公庫の融資には、代表者を被保険者とする団信に加入することができます。