積算評価② 建物の評価額の求め方
前回は、土地の評価額を求めました。今回は建物の評価額を求めてみましょう。
延床面積、構造、築年が重要
引き続き、下のような物件資料を元に計算を行います。
建物の耐用年数
まずは、建物の耐用年数を知ることが大事です。耐用年数には二種類あります。税法によって決められている法定耐用年数と金融機関が独自に決めている経済的耐用年数です。経済的耐用年数については、ほとんどが法定耐用年数に準じて決められていますので、法定耐用年数のみ知っておけば大丈夫でしょう。
建物の用途・構造により法定耐用年数は以下のように決められています。不動産投資をする方は必ず覚えましょう。
構造 | 耐用年数 | 用途 |
---|---|---|
鉄筋コンクリート造 | 47年 | 住宅用 |
重量鉄骨造 | 34年 | 店舗用・住宅用 |
木造 | 22年 | 店舗用・住宅用 |
建物の評価額を計算する場合は、残存耐用年数が必要です。上記物件は鉄筋コンクリート造、平成10年築ですから、平成28年現在、新築から18年経過しています。よって
残存耐用年数: 47年-18年=29年
となります。
建物の再調達価格
建物を新築した場合に必要な費用です。金融機関によって若干異なりますが、構造別に以下のように考えられています。
構造 | 再調達価格 |
---|---|
鉄筋コンクリート造 | 20万円/㎡ |
重量鉄骨造 | 18万円/㎡ |
木造 | 15万円/㎡ |
実際にはこのような平米単価では建設できませんが便宜的にこれで計算します。すると上記物件の再調達価格は延床面積の400㎡をかけて
再調達価格: 20万円/㎡ × 400㎡ = 8000万円
となります。
建物の評価額
最後に、残存耐用年数を用いて評価額を調整します。下記の式で再調達価格から減価すると建物の評価額が得られます。
建物の評価額を求める式: 再調達価格 × 残存耐用年数 ÷ 法定耐用年数
建物の評価額: 8000万円 × 29年 ÷ 47年 = 4936万円